街路樹も赤く染まり、葉がひらひらと舞う季節、
ここ福岡もだいぶ寒くなってきましたが
皆様いかがお過ごしでしょうか?
先日、北九州市のとある事業所で
「個人情報」と「プライバシー」の保護をテーマに
2時間ほど講師としてお話させていただきました。
日も暮れた18時半から、というご依頼でしたが
仕事終わりの疲れた時間にも関わらず、
従業員の皆様にはしっかり聞いて頂けたようで、
いろいろ構成を考えながら資料を作った身としては
本当に有り難いかぎりでございます。
ところで、
日本のプライバシー保護の歴史において外せないのが、
「宴のあと事件」。
時は1960年代、東京五輪を目前に、高度経済成長の真っただ中
かの文豪、三島由紀夫は「宴のあと」なる小説を世に送り出したわけですが、
その作品の中身は、といいますと、
都知事選挙を舞台にその前後のいろいろを描いた
高級料亭の女将と、元外務大臣の老紳士とのお話。
ノンフィクションならよかったのですが、
いわゆる「モデル小説」といわれるもので、
実在する人物をモデルに実際の有り様そのままを書いたから、さぁ大変!
今でいうところのストーカーのように
まるで私生活をずぅ~っとのぞき見してたんじゃないか、
という中身だったもんですから、
その人物からプライバシー侵害を理由に訴えられた、
これが世に言う「宴のあと事件」です。
日本の法廷で「プライバシー保護」と「表現の自由」が初めて争われた、
そんな話でございます。
というわけで、
セミナー資料として購入したこの小説ですが、
それだけでは勿体ないので実際に時間をとって読んでみました。
三島由紀夫というと
「金閣寺」だったり、「潮騒」が有名なのでしょうが
これはこれでわかりやすく、また読みやすい、です。
中身について云々は申し上げませんが、
「宴のあと」というタイトルのチョイスもなかなかのもんです。
秋もそろそろ終わりを迎えようとしておりますが、
皆様も「読書の秋」の最後に、
いかがでしょうか?
おすすめです。
ではでは、
1413、石井でした。